自律神経失調症 症例   30代男性 飲食業のケース

１年ほど前、朝起きるとドン！という腹痛があった。数日後より、ゲップ・胃の不快感・手足のしびれ・不眠・ふらつき・耳のつまり感・耳鳴り・首～肩こり・頭重感などに悩まされるようになる。

運動不足かと思い、ウォーキングを始めるがしびれが悪化するため断念した。本人なりに原因を探ってみると、10年間不規則な生活を送ってきたことか。

精神科で、メイラックス・ベルソムラ・ベンザリン・レクサプロを処方されたが大きな改善はみられなかった。

ひどいときは、薬を飲んでも4～5日眠れないこともあったし、薬の副作用と思われる昼間の眠気・だるさ・気力低下などで仕事に支障がでている。

近所の整体に10回くらい通ったが変化なく、インターネットで調べて当院に来院された。

首・肩のこりと痛みはあるが、整形外科テストによる神経圧迫症状はなかった。

キネシオロジー検査で原因特定を試みると、食べ物と感情ストレスの問題がみつかった。本人に確認するが、思い当たる点はないとのこと。

先ずは、首と自律神経を調整する施術をつづけながら様子観察することで同意を得た。

「夜眠れないのが一番つらい」という本人の訴えに応えるため、副交感神経へのはたらきかけとして首をゆるめることを最優先とした。

首～肩こりの原因として、片噛み・食いしばり・歯ぎしりがあるため本人に確認すると、思い当たるとのことだったので、両方の歯で噛むことと寝る前にあごのマッサージをおこなうよう指導した。

夜中の食いしばりの原因がストレスにあることを伝え、ストレスケアの指導もした。併せて、水分不足と足組み習慣の弊害を伝え見直すよう指導した。

【初回～4回目】（週に1回のペース）

副作用がつらいため自己判断で薬を飲むのをやめてみたが、とくに不調はないとのこと。術後2～3日はぐっすり眠れる。その後も睡眠は浅いが眠れないことはない。手の痺れがほぼ消失した。

【5回目】（週に1回のペース）

4日くらい眠れるようになる。耳鳴り消失。ふらつきと足のしびれは、頻度が減り程度も軽くなった。

【6回目～9回目】（週に1回のペース）

中耳炎のため施術間隔が4週間空き、耳のつまり感と難聴が悪化。他の症状は現状維持。睡眠は、薬なくても30分で眠られるので良好を保っている。

【10回目～11回目】（2週間に1回ペース）

耳のつまり感・難聴・ふらつき・足のしびれなど、すべての症状が軽くなり、症状のでない好調の日が増えてきた。

現在は、月に1～2回のペースでメンテナンスをおこなっている。

発症の引き金となった感情ストレスを特定するには至らなかったが、感情ストレスが関係していることに、本人が気づき受け入れたことが回復へとつながった。

調理作業や夜中の食いしばりが首～後頭部を緊張させ、耳にも影響していたため、それらを改善するセルフケアにも積極的に協力していただけたのも良い結果につながった。

精神科で処方された薬が効かず、「どうなってしまったんだろう？」という心配や「この先どうなるんだろう？」という不安が、当院の施術を受けつづけるうちに少しずつ変化してきて、安心や自信が芽生えたことが追い風となったと考える。