神経伝達物質とは、脳内に張り巡らされた神経ネットワークのなかで、情報をつたえる化学物質です。
わかりやすく例えると「駅伝のたすき」です。
当院では、自律神経の乱れを整えるうえで欠かせない「セロトニン」という神経伝達物質のはたらきに注目しています。
心のはたらきに関係していると言われる主な神経伝達物質は、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンです。
適度にはたらけば、“〇〇が欲しい”“〇〇したい”など内からの欲求に反応して意欲を高めてくれますが、過剰になると欲求がエスカレードしてコントロールできなくなります。
ノルアドレナリンとドーパミンのバランスを調整して、脳を安定した状態に導いてくれるのがセロトニンです。
脳全体を見渡して調和をはかることから“オーケストラの指揮者”と例えられることも。
不足:うつ病、自律神経失調症、不眠症
脳疲労や肉体疲労などストレスの多い生活がつづくと、セロトニンが減ってきます。
その結果、次のような心身の不調があらわれやすくなります。
これらは「自律神経の乱れ」としてあらわれることが多く、病院で検査しても「異常なし」と言われてしまうケースも少なくありません。
人には喜怒哀楽がありますが、その揺れ幅が大きいと疲れてしまいます。
セロトニンは、興奮しすぎた神経を落ち着かせて、平常心を保つはたらきがあります。
夜になるとセロトニンは「メラトニン(睡眠ホルモン)」の材料に変わります。
つまり、日中にしっかりセロトニンを活性化させることが、夜の質の良い眠りにつながるのです。
セロトニンは筋肉のはたらきを助けます。
姿勢維持に関わる抗重力筋(こうじゅうりょくきん)を活性化し、体の安定性を高めることも知られています。
そのため、セロトニンが正常にはたらくと、首の痛みや肩こり・腰痛・猫背姿勢の改善にも良い影響をあたえます。
セロトニンには「痛みを感じにくくする」鎮痛作用があります。
頭痛など、原因のよく分からない痛みがつづく場合には、セロトニンの不足を疑って、生活習慣を見直してみると良いかもしれません。
・時間は5~30分
・必要な明るさは2500~3000ルクス
※室内灯100~500ルクス、くもり空10000ルクス、晴天50000ルクス
・朝になったらカーテンを開けましょう
・太陽光を直接見てはいけません
・サングラスは外しましょう
・一定のリズムで筋肉を動かす
ウォーキング、足踏み、ラジオ体操、スクワットなど
・時間は5~30分
セロトニンの原料は、必須アミノ酸のひとつトリプトファンです。
トリプトファンは体内でつくられないため、食事から補給しないといけません。
セロトニン量をふやすには、トリプトファンのほかに炭水化物やビタミンB6も必要です。
参考文献:脳からストレスをスッキリ消す辞典(PHP研究所) 著者 有田秀穂
とはいえ、長期におよぶストレスによって心身の緊張が強まってくると、これらの刺激が届きにくくなってしまいます。
そのような場合に、セロトニンの分泌をうながす手法としておすすめするのが「セロトニン活性療法」です。
一般社団法人「セロトニン活性療法」協会が利害関係のない第三者機関と実施した“体内のセロトニン増加量のエビデンス試験”の結果が、学会誌『医学と薬学 Vol.76 No.3』と『診療と新薬 Vol.56 No.8』に掲載されています。
この研究から、セロトニン活性療法により体内のセロトニン濃度の上昇が確認され、気分の改善をもたらし、ストレス耐性を高める可能性が示唆された希望あるデータとなっています。
当院でも、こうした生理学的な根拠をもとに、やさしい刺激で脳と体を整える「セロトニン活性療法」を取り入れています。
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